子ども向けのプログラミングツールとして、手軽に扱えるmicro:bit(読み方は「マイクロビット」)に注目が集まっていますが、そもそも何を買ってどうやって使ったらよいのか全くわからない! という方も多いはず。そこで今回は、micro:bitの最初の入り口として、何があればできるのか? という始めの一歩をやっていきましょう。
micro:bitをはじめよう【1】必要なものをそろえる(この記事)
micro:bitをはじめよう【2】プログラミングの画面を使ってみる
micro:bitをはじめよう【3】プログラムを転送してmicro:bitを動かす
micro:bitをはじめよう【4】プログラムを直接転送できるWeb USBが便利!!
このあたりのお話は、「それくらい知ってるでしょ?」というくらいの勢いで省略されていることが多いのですが、「今さら聞けない」なんて思う必要はありません。知らなくて当然、これを読んでイメージしてみてください。
micro:bit本体
まず、micro:bit本体です。1個あればとりあえずひとりで楽しめます。写真では表裏が見えるように同じものを2個並べています。表側の左上青色の部分はものによって違う色ですが、飾りなので色によって機能が違うということはありません。選べないので何色が買えるかは運次第です。
パソコン
micro:bitは、インターネットにつながったパソコンでウェブブラウザ(ホームページを見る時に普段使っているアプリケーションのことです)でプログラミングできます。なので、インターネットにつながるパソコンが必要です(※タブレット端末について)。
パソコンにつなぐケーブル
パソコンで作ったプログラムのデータをmicro:bitに転送すると、micro:bit本体が動くようになります。ですから、パソコンとmicro:bitをつなぐケーブルが必要です。こんな小さな基板をパソコンにつなぐなんてなんだか不思議な感じですが、こうなります。
ケーブルは、一方がパソコンに合う形状の一番よく見かける普通の長方形「USB TypeA」(ケーブル写真左側)。もう一方がとても小さな「Micro USB TypeB」(ケーブル写真右側)で、こちら側にmicro:bitにつなぎます。一部のデジカメやスマートフォンの充電ケーブルに使われているので、同じケーブルを既に持っていれば買わなくても大丈夫です。ただ、似て非なるケーブルが多いので気をつけましょう。
micro:bit用電池ボックス/モジュール
さぁこれで準備完了!……かと思うと、まだ足りません。micro:bitは実は電池がないと動きません。パソコンにつないでいる間は、電池を接続していなくても、パソコンから電気がもらえるので動きます。でも、いざプログラムを転送してパソコンから切り離して単体で動かしてみようとすると、電池ボックスをつないでいないと動かないのです。
小さくて手軽かと思ったら、電源のケーブルをつないで武骨な電池ボックス(例: micro:bit用のごく普通の電池ボックス)をだらんとつながらなければいけないなんて、全然スマートではない!!全然格好良くない!!と、正直なところ私はちょっとショックなポイントでした。ですが、仕方ありません。
この「電源美しくない問題」をすっきりさせるいくつかの選択肢があるので2つご紹介します。
(1)電池モジュールキット
単4電池を3つセットしてmicro:bitと重ねてネジ留めできる「モジュール」タイプの電池キットです。ケーブルは接続しなければならないのですが、ネジ留めするので電池ボックスがぶらぶらすることはありません。更に他の機能を持ったmicro:bit用「モジュール」(スピーカーモジュールやサーボモーターモジュールなどがあります)を重ねて機能拡張する場合、その追加モジュールを動かす電源にもなるので便利です。
micro:bit用電池モジュールキット
(2)バングルモジュールキット
ボタン電池をセットしてmicro:bitと重ねてネジ留めする「モジュール」タイプの電池キットです。ケーブルは接続不要なのでコンパクトにおさまります。バングルモジュールにはmicro:bit本体にはないスピーカーがついているので、電源+音を出すこともできて、お得感満点です。よく、micro:bitを腕時計のように身につけて楽しんでいる写真を見ると思いますが、あれをやるならこれが必要です。ベルトを通せるようになっていて、腕に巻ける程度の長さのマジックテープがついてきます。
ただし、(1)のように別の「モジュール」の電源にはなりませんので、もっと「モジュール」を追加して機能拡張したいと思っても、結局別の電源が必要になるのて注意してください。
micro:bit用バングルモジュールキット
けっきょく電源はどれがいいのか?
すっきり見せてある程度持ち運びやすくするなら(1)の電池モジュール、身につけたり携帯性を重視して楽しみたいなら(2)のバングルモジュール、携帯性は求めず安く済ませるなら普通の電池ボックスという選択になるでしょう。工作に組み込む場合は、普通の電池ボックスの方が都合よい場合もあるかもしれません。
なお、「micro:bitをセットすればリモコンカーを簡単に作れますよ」というキットなどもあり、それらには電池ボックスがあらかじめ作り付けられていることが多いので、「そのキットでしかmicro:bitを使わない」、という場合は、単体の電源になる電池ボックス/モジュールは不要です。ただ、自由にプログラミングできるmicro:bitを特定のキットでしか使わないというのは、それだけで発想を狭めていますから、何か電池ボックス/モジュールを用意しておくのがおすすめです。
まとめ
はい! ようやくここまでで、最低限必要なものがそろいました。
つい、micro:bitのことを「手軽な……」と表現してしまいますが、micro:bitさえあれば他は何もいらない!というのはちょっと違って、パソコン、USBケーブル、電池ボックス/モジュール、電池が必要ですから、そこだけイメージしておきましょう。
次回は、プログラミングの画面の基本的な使い方をやります。
micro:bitをはじめよう【1】必要なものをそろえる(この記事)
micro:bitをはじめよう【2】プログラミングの画面を使ってみる
micro:bitをはじめよう【3】プログラムを転送してmicro:bitを動かす
micro:bitをはじめよう【4】プログラムを直接転送できるWeb USBが便利!!
[タブレット端末について] タブレット端末でプログラミングしてmicro:bit用のアプリを使用すれば、プログラムのデータを無線(Bluetooth LE)でmicro:bitに転送することができます。この場合、パソコンとUSBケーブルは不要ですが、電池ボックス/モジュールは必要です。
タブレット端末から転送する場合は、ペアリングといって、タブレット端末とmicro:bitの接続設定をして通信しますが、ときどきうまくいかない場合があります。
現状では、トラブルがあったときの原因の特定しやすさを考えると、パソコンとUSBケーブルで接続する方が安定していると感じています。
狩野 さやか
Studio947のデザイナー・ライター。デザイン・ウェブ制作全般を担当する一方、技術書籍の執筆や、教育のICT活用・子ども向けプログラミングについての取材・執筆をしている。著書に『ひらめき!プログラミングワールド』『見た目にこだわるJimdo入門』『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。
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