Scratch(スクラッチ):おみくじを作ろう〜「変数」と「乱数」

伊東 けいこ

今回はネコをクリックすると今日の運勢を教えてくれる「ネコおみくじ」を作ります。「変数」と「乱数」というプログラミングの技を使います。

Scratch(スクラッチ):おみくじを作ろう
今日の運勢を聞いてみよう

ネコをクリックして出る運勢は「大吉!」「吉」「中吉」「小吉」「凶」の5種類。おみくじですから毎回どれが出るかわかりません。

目次

【1】背景を用意しよう

まずは背景を用意しましょう。ステージの「背景を選ぶ」ボタンを押すと出てくる背景一覧から好きなものを選びます。ここでは「Light」を選びました。

背景画像を選ぶ

背景を自分で描くこともできます。スプライトを描く方法を参考にしてください。

【2】ネコとタイトルのスプライトを用意しよう

今回必要なスプライトは2点、「ネコ」と遊び方を説明する「タイトル」です。まずは最初からいるネコの名前を「スプライト1」から「ネコ」に変えます。

ネコをクリックすることを説明するための「タイトル」スプライトを新しく作ります。スプライトを「描く」ボタンをクリックすると、何もない状態のコスチュームの編集画面が開きます。

スプライトを描く

テキストツールをクリックして「今日の運勢は?」と「ネコを押してね」のテキストを追加し、色や大きさを調整します。

テキストを調整する

ステージ上でちょうどいい位置に移動させてバランスを調整しましょう。

テキストを調整する

【3】タイトルのプログラム

スプライト「タイトル」のプログラムは次の図の通りです。

タイトルのスプライト

<プログラムの役割>

「タイトル」の大きさと位置を指定します。

【4】ネコのプログラム

スプライト「ネコ」のプログラムは次の図のとおりです。は「ネコ」の大きさと位置を指定するプログラムです。図を参考に作りましょう。のプログラムの作成手順は、(4-1)(4ー5)で順を追って説明します。

ネコのスプライト

(4-1) 変数を作る

まず、プログラムでおみくじの結果を管理する準備をします。
変数ブロックの[変数を作る]をクリックして「おみくじの結果」という名前の変数を作ります。「変数」は値を入れておける入れ物です。

新しい変数を追加する

作成した変数「おみくじの結果」はブロックパレットに表示されて使えるようになります。チェックボックスにチェックを入れるとステージに変数が表示されます。制作中に変数の値を確認するのに便利です。

変数を表示する

(4-2) 変数「おみくじの結果」に「乱数」を入れる

[このスプライトが押されたとき]ブロックに続けて、おみくじの結果を表示するプログラムを作ります。

まずは変数「おみくじの結果」に乱数を入れます。
[おみくじの結果 を – にする]ブロックの値に[ – から – までの乱数]のブロックを入れます。おみくじの結果は「大吉!」「吉」「中吉」「小吉」「凶」の5通りありますから、乱数の範囲も5通りにします。乱数のブロックに「1から5まで」と数字を入力して範囲を指定してください。

 おみくじの結果に乱数を入れる

(メモ) 「乱数」とは?

サイコロを振った時のように「何が出るかわからない」数字のことです。
乱数を使うと、そこに何の数字が出てくるかはプログラムを実行するたびに変わります。結果を予測できては困るおみくじの結果を振り分けるのにぴったりです。
Scratchの乱数は、整数で範囲を指定すると整数で出力されます。

(4-3) ネコをクリックすると鳴くようにする

[ 終わるまでニャーの音を鳴らす ] ブロックを続けて置きます。

 ネコが鳴くブロックを追加

(4-4) おみくじの内容を表示する

変数「おみくじの結果」に入れた乱数がどの数字を発生させたかによって、おみくじの結果を変えるプログラムを作ります。
次の図を参考に、変数「おみくじの結果」が1なら「大吉!」と表示させましょう。

 おみくじの結果を表示するプログラム

同じように、変数「おみくじの結果」が2なら「吉」、3なら「中吉」というふうに、2から5までの場合のプログラムを作ります。似たプログラムを作り足すときは、複製をして値だけ変更すると便利です。

 おみくじの結果すべてを表示する

(4-5) 全体のプログラム

これでプログラムの完成です。プログラム全体は次の図の通りです。

全体のプログラム

ブロックパレットの変数「おみくじの結果」にチェックを入れたまま、プログラムを実行してネコをクリックしてみてください。変数「おみくじの結果」に入った数字が「4」だったので、ネコが「小吉」と言っていることがわかります。ネコをクリックするたびに新たな乱数が発生して変数「おみくじの結果」に入る数字が変わり、吹き出しの運勢が変わるのを確かめてみましょう。

Scratch(スクラッチ)

できあがった作品がこちらです。公開する作品には変数を表示する必要がないので、ブロックパレットの変数「おみくじの結果」のチェックは外してあります。

【5】今回のまとめ

今回は「変数」と「乱数」と組み合わせることで、何が出るかわからないおみくじのプログラムを作りました。面白い結果が表示される占いにしてみたり、くじびきを作ってみたり、様々なアレンジができそうです。「大吉!」の出る確率を低くするなどの調整方法を考えるのも面白いですね。ぜひ色々な作品を作ってみてください。

Scratchの使い方や作品アイデアがたくさん! Scratchでプログラミングに挑戦!

伊東 けいこ
Web制作者&ライター。2017年よりオランダ在住。 サイト構築の傍らオランダにおける教育&テクノロジー、社会&テクノロジー周辺を追っています。 https://chari-kamo.com

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