今回は、ちょっとレベルアップをして、早押しゲームづくりに挑戦します! これまでは、LEDパネルやセンサーなどを1個ずつしか使いませんでしたが、もっとたくさん使い、プログラムもちょっとレベルアップ。この記事では、SPACEBLOCKでどうやったらたくさんのセンサなどを同時に接続して使うことができるのか、そのつなぎ方と、ゲームの装置を作るところまでを紹介します! ゲーム用のプログラムは次回記事をチェックしてくださいね。
必要なもの&準備
- SPACEBLOCK通常パッケージ[SPACEBLOCK本体、USBケーブル、電池ボックス]
- 赤外線障害物回避センサモジュール(障害物回避センサ)
- 圧電スピーカー
- 8×8 RGB LEDマトリックスパネル(LEDパネル)
- ジャンパーワイヤ[適宜延長するのに使用します]
- ブレッドボード※
- プログラミングをするパソコン
※ブレッドボードはSPACEBLOCK公式サイトでは販売していませんが、電子工作の材料としてさまざまなショップで購入できます。
プログラミング画面の開き方など基本の作業の流れは、「SPACEBLOCKのプログラミング手順をチェック!」で確認してくださいね。
SPACEBLOCKに拡張パーツを接続する
まずは、今回使用する障害物回避センサ3個、LEDパネル2個、圧電スピーカー1個をSPACEBLOCKに接続してみましょう。それぞれに接続しなければいけないジャンパーワイヤが複数あります。本数とその役割を確認してみましょう。
- LEDパネル(ワイヤ3本):5Vの電源/GND/信号のやりとり
- 障害物回避センサ(ワイヤ3本):3〜5Vの電源/GND/信号のやりとり
- 圧電スピーカー(ワイヤ2本):GND/信号のやりとり
※GND(グランド)は、プラスからマイナスに電気が流れていくマイナスの側で、電気の通り道を作るのに必要です。
※圧電スピーカーは、信号のやりとりと同じワイヤからの給電で動作します。
それぞれ接続しなければいけないワイヤがある一方、SPACEBLOCKのピンソケットには、GNDと電源供給(5V、3.3V)の数に限りがあります。SPACEBLOCKのピンソケットの役割を確認しておきましょう。
このままでは、全てのパーツを接続できません。そこで、ブレッドボードを使って、接続できるピンソケットを拡張します。ブレッドボードというのは電子工作で手軽に回路を作るためのものです。今回、5Vの電源とGNDを拡張するのに使用します。
まず、SPACEBLOCKの「5V」のピンソケットと、ブレッドボードの「+」の列、と「GND」のピンソケットと「−」の列をジャンパーワイヤで接続します。これで、ブレッドボードの同じ「+」の列はすべて「5V」のピンソケットとして、「−」の列はすべて「GND」のピンソケットとして使えるようになります。
続いて、SPACEBLOCKに直接接続できるパーツを接続します。LEDパネル1個と、圧電スピーカーを接続します。
続いて、残りのLEDパネル1個と、障害物回避センサ3個をつなぎます。GNDと電源のジャンパーワイヤはブレッドボードにつなぎ、信号のやりとり用のワイヤはSPACEBLOCKのピンソケットにつなぎます。
図で見るとすっきりしていますが、実際に接続した写真がこちらです。だいぶごちゃごちゃしていてちょっとびっくりしてしまうかもしれませんね! でも上の図のようにひとつひとつ確認して差していけば大丈夫です。
拡張パーツの動作を確認
いったんここまでできたら、正しく接続できているかどうか、LEDパネル、圧電スピーカー、障害物回避センサの動作を確認しておきましょう。
各パーツの信号をやりとりするワイヤを接続したピンソケットの番号を確認しながら、接続テスト用のプログラムを動かしてみましょう。
LEDパネル
- LEDパネル❶→A10
- LEDパネル❷→B10
[確認プログラム例]
圧電スピーカー
- 圧電スピーカー→A0
[確認プログラム例]
障害物回避センサ
- 障害物回避センサ❶→A1
- 障害物回避センサ❷→A2
- 障害物回避センサ❸→A3
[確認プログラム例]
障害物回避センサの仕組みと反応距離の調整の仕方は以下のリンクから確認してください。
動作しなければ接続がどこか間違っています。ゲーム装置を作ったりプログラミングをしたりする前に、正しく接続できているかを確認しておきましょう。
ゲーム装置の材料としくみ
次は、ゲーム装置を作ります。必要な材料は、段ボールなどの丈夫な箱と、プラスチックカップ、割りピン、輪ゴム、色紙(赤、緑、青)です。蓋つきの箱だと作業がしやすく便利です。
これらの材料で、押すボタンを作ります。まず、仕組みを説明しましょう。次の図の通り、段ボール箱にプラスチックカップよりひと回り小さい穴を空け、カップが下から上方向に押しつけられるように、割りピンと輪ゴムで固定します。箱の中には障害物回避センサをセットし、ボタンを押し込むとカップの端がセンサの反応範囲に届き、センサが反応します。
ゲーム装置を作ろう:工作部分
カップには4箇所に穴を空けて……、
輪ゴムを通します。
輪ゴムの長さを調節して結び目を作って、抜けないようにして……
箱に、プラスチックカップが高さ半分くらいはまる直径の丸い穴をあけます。円の周囲に割りピンを4箇所つけます。
箱の内側から輪ゴムをつけたプラスチックカップをあてて、輪ゴムの端を表側に出します。
箱の表側に出した輪ゴムの端を割りピンに引っかけます。適度な弾力で上に引っ張られるよう、輪ゴムの長さを調節しましょう。
3色分同じように作って3色のボタンが完成です!
こんな風に手で押して、適度な弾力があることを確かめましょう。
ボタンの動きを動画でご覧ください。
ゲーム装置を作ろう:SPACEBLOCKをセット
ここまでは普通の工作ですが、いよいよSPACEBLOCKを工作に組み込んでいきます。箱の中に、必要なパーツ類を接続済みのSPACEBLOCKを一式入れて、3つのボタンが押し込まれる位置に合わせて障害物回避センサを立てて固定します。
障害物回避センサを設置する高さは、箱の高さとプラスチックカップの沈み込みの深さに合わせて調整してください。押していない状態ではセンサが反応せず、押し込んだときだけ反応するように、反応距離を調整します。
さらに、LEDパネルは箱の外側に出して、ボードに貼り付けて設置します。
これでゲーム装置の完成です。
チェック用プログラムで動作を確認!
完成した装置を、以下のプログラムでテストしてみましょう。赤いボタンを押したら、LEDパネル❶が赤に、青のボタンを押したら青に、緑のボタンを押したら緑に光り、音が鳴ります。
テストしたところを動画でご覧ください。
これで、プログラムで制御できるカラーボタンとLEDパネル、スピーカーの装置が完成しました。押した色が表示されるだけでも、なんだかちょっとうれしいですね。それでは次回、いよいよゲームのプログラムを作っていきましょう!
狩野 さやか
Studio947のデザイナー・ライター。デザイン・ウェブ制作全般を担当する一方、技術書籍の執筆や、教育のICT活用・子ども向けプログラミングについての取材・執筆をしている。著書に『ひらめき!プログラミングワールド』『見た目にこだわるJimdo入門』『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。
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