こんにちは!「SPACEBLOCK(スペースブロック)」です!! SPACEBLOCKは子どもから大人まで本格的な“ものづくり”を楽しめる道具として、徳島で誕生したコンピューターです。「え?これがコンピューター?」って驚くかもしれませんが、コンピューターはいろいろな姿をしていて、私たちの身の回りで大活躍しているのです。
身の回りにはコンピューターがいっぱい!
それではさっそく、身の回りにどんなコンピューターがあるか、探してみましょう。パソコン、タブレット、スマートフォンはどれもコンピューターです。子どもたちが大好きなゲーム機もコンピューター。どれもディスプレイ(画面)があって手で操作するところが似ています。
画面がなくて姿の違うコンピューターもあります。私たちが毎日使っている洗濯機、電子レンジ、炊飯器、テレビ、掃除機などの家電の中にも小さなコンピューターが入っています。町に出れば、自動販売機や自動改札機、自動ドアやスーパーのレジ、信号機などもコンピューターで動いています。自動車や飛行機、電車などを動かすしくみの一部にもコンピューターが使われています。
見渡してみると私たちのまわりはコンピューターだらけ! コンピューターを使わずに過ごせる日はないほどです。
コンピューターは計算がお得意!
コンピューターが身の回りにたくさんあるとはいえ、見た目も機能もパソコンやスマートフォンとは似ても似つかないものばかりです。そもそもコンピューターって何なのでしょうか。
コンピューターは、指示された命令を正確にこなすことができる機械です。目に見える形はさまざまですが、どんなコンピューターも計算するための「CPU(シーピーユー)」と記憶するための「メモリ」を持っていて、命令通りの計算をすることができます。「CPU」は猛スピードで計算する頭脳で、「メモリ」は計算の結果や命令を記憶しておく場所です。
コンピューターは計算が仕事ですから、時間や温度など数字で表せるものを扱うのはもちろん得意です。でも、計算をするのがコンピューターの働きだとしたら、なぜ文字や写真、音楽などさまざまな情報を扱えるのでしょうか。実はコンピューターで扱うすべての情報は、文字でも画像でも音でも全てルールを決めて数字に置き換えられていて、計算で処理できるようになっているのです。この数字に置き換えられた情報を「デジタル情報」と呼びます。
例えば、動画や3D映像はものすごい量の「デジタル情報」に置き換えられますが、コンピューターが超高速で計算をしてくれるおかげで、みなさんは映画やゲームを楽しむことができるのです。
コンピューターと情報をやりとりする「入力装置」と「出力装置」
コンピューターはデジタル情報を計算する機械ですが、なにを計算するのかという情報をコンピューターに渡してあげなければ計算ができません。その情報をコンピューターに渡すのが「入力装置」と呼ばれるものです。
パソコンやスマートフォンでは、人が操作するキーボードやタッチパネル、ゲーム機ならコントローラーなどが入力装置です。そして、マイクやカメラも入力装置として活躍しています。最近では音声認識や顔認証なども一般的になってきていて、マイクは音声情報を、カメラは撮影した画像情報をコンピューターに渡しているのです。
入力装置は人が操作するものばかりではありません。たとえば、水温を測ってその温度をコンピューターに渡すことができる部品は、入力装置です。同じように、湿度、明るさ、ものの傾きなどを計測する部品もあり、これらも入力装置になります。
入力された情報をもとにコンピューターが計算した結果は、人に見せたり、何かを動かしたりしてはじめて役に立ちます。計算の結果を役立てるのが「出力装置」です。
パソコンやスマートフォンの場合はディスプレイが出力装置になり、人が見てわかる映像を計算結果から作って映し出します。同じように、紙に印刷するプリンターや音を鳴らすスピーカーも出力装置です。
出力装置も人が使うものばかりではありません。コンピューターの計算結果によって回転の速さが変わるモーターや、家電の動作状態を伝えるLEDライトなども出力装置です。
コンピューターはプログラムがなければ動かない!
そしてもうひとつ、コンピューターを動かすのに欠かせないものがあります。それがプログラムです。コンピューターは「指示された命令を正確にこなす」と説明しましたが、この「命令」がプログラム。コンピューターは、プログラムが変われば全く違う機能を持つことができるのです。
例えば同じスマートフォンで、アプリを切り替えると全く違うことができたり、同じゲーム機でもソフトを入れ替えれば全く違うゲームを楽しめたりするのは、プログラムを交換しているからです。
SPACEBLOCKはコンピューター!
さて、いよいよ、ものづくりコンピューター「SPCEBLOCK」のお話をしましょう。SPACEBLOCKは、4.5cm×5.5cmの小さな姿ですが、ちゃんと「CPU」「メモリ」「入力装置」「出力装置」が入っている立派なコンピューターです。
それにしても、なんだか機械の部品のような姿で、入力装置と出力装置は少ししかありません。SPACEBLOCKはいわばものづくりの「道具」となるコンピューターなのです。本当に必要なものだけを詰め込んで、みなさんが使いたい入力装置や出力装置をつなげて使えるようになっています。
たとえば、比較的簡単に使える出力装置がこちらのフルカラーのLEDパネル。縦に8個、横にも8個、合計64個のLEDが並んでいて、カラフルな文字や絵を表現することができます。SPACEBLOCKが生まれた徳島は、実はLEDの開発や生産で日本のトップを走る先端地域として有名です。
ほかにも、スピーカーをつないで音を出したり、温度センサーをつないで温度が高くなったら何かが起きるようにしたりと、いくらでも使い方が広がります。SPACEBLOCKにつなげられる装置はこれからどんどん増える予定です。
SPACEBLOCKに電源と好きな入出力装置をつないだら動き出すのかというとそんなことはありません。重要なものがひとつ欠けています。そう、プログラムです。SPACEBLOCKはコンピューターですから、プログラムの命令がなければ動かないのです。
じゃあプログラムはどこにあるのかって……?どこにもありません。みなさんがプログラムを作るのです!!
SPACEBLOCKを道具に何を作るのかは自分次第。クリエイティブな気持ちとプログラミングの技術があれば発想はぐんぐん広がります。プログラミングの技を身につけて、デジタルもの作りを楽しみましょう!! 次の記事では、プログラムってどんなものなのかもっと詳しく見ていきましょう。
狩野 さやか
Studio947のデザイナー・ライター。デザイン・ウェブ制作全般を担当する一方、技術書籍の執筆や、教育のICT活用・子ども向けプログラミングについての取材・執筆をしている。著書に『ひらめき!プログラミングワールド』『見た目にこだわるJimdo入門』『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。
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