みんなもできるっ!AI×Scratchでプログラミング!!〜Googleの「キッズAIプログラミングコンテスト」をチェック

狩野 さやか

Googleの「キッズAIプログラミングコンテスト」のファイナルイベントが2021年10月2日(土)に「Maker Faire Tokyo Online 2021」の中で開催されました。昨年から2年続けてファイナリストの最終プレゼンと表彰式の様子を視聴したのですが、昨年も今年もアイディアを形にする力がすばらしい! とても面白かったです。

AI+Scratchで便利なしくみ作り!

コンテストは、Googleが提供するAI技術を活用して、子ども向けプログラミングツールとして有名なScratch(スクラッチ)で作品をつくることが条件です。

AIとScratchでどんなことができるのか簡単に説明しましょう。例えば画像認識でリンゴとバナナを見分ける仕組みを作る場合、まず、リンゴとバナナそれぞれを判定させるための材料になる画像を専用ツールでAIにたくさん学習させます。こうして作った機械学習データをScratchのプログラミングで活用。カメラに写った画像と機械学習データとが一致しているかを判定する仕組みを作ります。PCのカメラから画像認識させれば、Scratchの画面内で鏡のように写りを確認しながら判定して結果を表示させることができます。

次の写真は、バナナだと判定したら「バナナだね!」とネコがしゃべっているところです。機械学習させる画像と判定に対する動きをさまざまに変えるだけで、いろいろな仕組みが作れます。

他に、音声の機械学習ツールや、体のポーズを判定する技術が提供されています。

コンテストの作品は工夫がいっぱい

今年のグランプリ作品は、口呼吸をしていたら警告する装置、昨年度のグランプリ作品は、おじいちゃんのお酒飲み過ぎ防止装置。いずれも画像認識を使っていてScratchでプログラムを作成していますが、警告等をScratchの画面内で出すのではなく、micro:bitやLEGOのプログラミング用ロボットなどを制御して別のものが動くしかけにしてありました。

せひコンテストのサイトでグランプリやファイナリストたちの作品をチェックしてみてください。2年連続登場のファイナリストも。

2021年コンテストの作品紹介[Googleのコンテストサイト]

2020年コンテストの作品紹介[Googleのコンテストサイト]

グランプリ作品に限らず、ファイナリストの皆さんの作品はどれもアイディアを形にして使える機能として完成させていて素晴らしかったです。プログラムの見本通りに作るのとは違い、自分が「やりたいこと」に近づけていくには小さな壁や大きな壁があるもの。プログラムの改善ポイントを見極めたり、一歩高度なプログラムに挑戦したり、より複雑な仕組みをプログラムしたり、見栄えを整えたりして完成度を上げていった過程がどの作品にも見えていました。

今の子ども達にとっては、画像認識というのは日々ユーザーとして接している普通の技術なので、つくりたいものの発想も広がり、日常生活からスムーズにアイディアが生まれていているのも印象的でした。それぞれの家族に対する思いや、普段の家族とのやりとりがアイディアの中に見えてきて、とても暖かい気持になるコンテストでした。

みんなもできる!手の届くAI技術

AIと聞くと、なんだかものすごいことをしているように思う方もいるかもしれませんが、画像や音声の機械学習データを簡単に作れるツールがウェブ上で公開されていますし、プログラミングに使うScratchも無料でウェブ上で使えます。(注:AI技術を使うには、一般のScratchには入っていない特定の拡張機能が必要なので、今回のコンテストではコンテスト版のScartchが提供されています。)

Scratchは子ども向けで一般的なブロック型のビジュアルプログラミングツールですから、プログラムを作る操作は簡単。モデル的にAIを活用した仕組みを作るだけならば、比較的簡単なプログラムで実現できます。さらに、Scratchにはmicro:bitやLEGOのロボットのプログラムを作れる拡張機能もあり、micro:bitやLEGOのプログラミング教材を連携させたプログラムも作りやすいのです。

コンテストを通してAI×Scratchと聞くと、「難しそう…」とか、「特別な人しかできなさそう…」なんて印象を持ってしまうかもしれませんが、そんな風に思わないで大丈夫。パソコンがあれば無料で使えるツールがそろっています。ぜひ気軽に試してみましょう!!

この「知りたい!プログラミングツール図鑑」でも、AI技術をScratchで使うための方法をまとめています。ぜひチェックしてみてください!

ScratchでAIを使う方法を複数ご紹介!

  • AI ブロックと専用のScratch(TECHPARK)
  • Googleの「Teachable Machine」と専用のScratch
  • 拡張機能「ML2Scratch」と専用のScratch

Scratchからmicro:bitを制御する方法はこちらをチェック。

Scratchでmicro:bitを動かすプログラムを作る方法

狩野 さやか
Studio947のデザイナー・ライター。デザイン・ウェブ制作全般を担当する一方、技術書籍の執筆や、教育のICT活用・子ども向けプログラミングについての取材・執筆をしている。著書に『ひらめき!プログラミングワールド』『見た目にこだわるJimdo入門』『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

コメント

コメントを書く