Scratch3.0が今年の1月に正式リリースされてから、だいぶ定着してきたようです。
今回のコラムでは、Scratchで作ったちょっと楽しい作品をご紹介します。
まずは、実演中の動画から。時間内にドーナッツをなるべくたくさん食べるゲームです。
フィジカル要素との連携が楽しい
カメラ機能がオンの状態でScratchプロジェクトを実行すると、カメラに写った像がプロジェクトにリアルタイムで合成されます。上から落ちてくるドーナッツのそばで何か動きがあると、そのそばのドーナッツが「食べられた」反応をするという仕組みです。
デモ動画は人形に登場してもらいましたが、実際には自分が写った状態で食べたりつかんだりする動作をするととても楽しいです。15秒でいくつ食べられるでしょうか?
使った機能はビデオモーションセンサー
これは、ScratchのVideo Motion Sensor(ビデオモーションセンサー)という機能を使って作りました。以前からブロックとして存在していた機能ですが、Scratch3.0からは「拡張機能」に移動しました。
Scratchは画面内で作品を作るもの、というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、こんな風に、リアルな何かに反応すると、それだけでワクワク感がうんとアップします。
実際のScratchプロジェクトは以下のURLで公開していますので、まずはぜひ遊んでみてください。
https://scratch.mit.edu/projects/277436459/
尚、閲覧に使う機器のカメラが画面の前方後方両方の撮影に対応している場合、ブラウザと機器の組み合わせによってはカメラが画面の向こう側を写してしまうこともありました。このドーナッツゲームの実行時に画面の向こう側が写されてしまうようならば、実行するブラウザを別のものに変えてみましょう。それでもだめならば、ほかの機器を試してみてください。
拡張機能もどんどん活用しよう
Scratch3.0からは、micro:bitなどフィジカルなツールとの連携が、オフィシャルにできるようになったのが特徴的です。今までなかった機能もあるので、ぜひ、他の「拡張機能」もチェックしてみてください。
拡張機能は赤い点線の部分をクリックすると選べます。
現在公開されている拡張機能の一覧です。
IoTの時代、Scratchでも、モノに画面が反応したり、画面からの指示にモノが反応したりする作品に、より気軽にチャレンジできるようになりました。みなさんもぜひ楽しい作品をたくさん作ってください!
狩野 さやか
Studio947のデザイナー・ライター。デザイン・ウェブ制作全般を担当する一方、技術書籍の執筆や、教育のICT活用・子ども向けプログラミングについての取材・執筆をしている。著書に『ひらめき!プログラミングワールド』『見た目にこだわるJimdo入門』『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。
はじめまして。興味深い事例の紹介ありがとうございます。一点ご質問です。時間制限について変数が設定されているだけで、残り時間(15秒)や、時間が1秒ずつ経過していくブロックがないように感じられるのですが、どのように処理されているのでしょうか? よろしければ教えてください。
ご質問ありがとうございます。サンプルのScratchのプロジェクトをご覧いただいたのですね。「ステージ」を選択した時に表示されるプログラムをチェックしてみてください。そこに制限時間やビデオコントロールのプログラムが記載されています。